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それからしばらく何も考えずに、ただそこにいた。すると校舎の方から足音が聞こえてきた。ああ……もう昼休みの時間か。
「やっぱり、ずっとここにいるんだな。ほら、飯を食うぞ」
「またお前か」
「また俺だ」
そいつは俺にコンビニのおにぎりを3個と500mlのお茶を渡した。
「どうせ何も持ってないんだろ。ありがたくもらっとけ」
「濡れるぞ?」
「知るか。それにお前の方が濡れてる」
「……そうだな」
俺たちは何も話さず、黙々と食べた。そして食べ終えても何も話さずにいた。
「……じゃあ、俺は教室に戻る」
「ああ、じゃあな」
「……お前も行けよ?」
今朝と似たようなやり取りをし、そいつは教室に戻って行った。俺は満開に咲き誇る桜の木の下にいる。
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