第一章「胎動」

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(しかし…) 颯爽は最近の内閣の異常について考える かなり長い間、政権を握っていた侍眠党の衰退、躍進する途中、いきなり勢いを失った眠珠党、 そして… 異常なまでの人気を博し、結成後三年も満たない内に政権を握った、 「神民党…」 我が国は神の国だと提唱し、独特な演説と現実的かつ具体的な公約で選挙権を持つ人間を確実に引き込み、だらし無いようでやることはきっちりやる総裁、花月を筆頭とする、各党を圧倒した政党だ。 自分もあまり政治に興味はなかったが、この党の大躍進には、ただただ驚くしかない。 しかし、何かが気に入らなかった。 というのも、うまく行き過ぎている…つまり自分のひねくれた考え方なのだが 総裁の花月も存在感こそ優れるが、絶対的なオーラがない これだったら侍眠党の志々雄や、眠珠党の来栖の方が数段上だろう… そんな事を都会のビル群から移り変わる風景を見ながら考えていた… (さっきの二人は…まぁ、いないんだろうなぁ…) しかし、辺りを見回すと、 いた………
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