第一章「胎動」

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「チチチ…」 「はぁ…」 颯爽はぼーっと外の木の枝を眺めていた。 鳥が陽気に唄っている… 「春…か。」 颯爽自身、春という季節は嫌いではない。 桜が咲き、花が薫り、鳥は唄い、草花が生え、気候も温暖… だがこの男、颯爽はベッドから起き上がらない いや、起き上がれない。 「ああ、起きれん…」 無気力症候群。 現在の颯爽は、そんな感じだった 高校を卒業後、ギリギリで大学合格。本当にギリギリで… しかし、大学のレベルについて行けず、やる気というものが薄れていた。 だがなんとか学校に行き、講義も受け、レポートを書き、なんとか単位も取ることが出来た。 現在は春休み一日目…
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