58人が本棚に入れています
本棚に追加
10 戦士の休息~ネフィリム陛下編~
さて、最後にネフィリム陛下。
機嫌損ねたくない人物No.1(ネクロス新聞社調べ)だから、気をつけねば……。
謁見室へと向かう途中、見回りの兵士達から嫌な噂を聞いた。
兵1「おい、さっき報告しに行った兵士、物凄い勢いで走って行ってたが何かあったのか?」
兵2「さぁな? 最近ずっと機嫌悪いみたいだからな~。」
そんな話を聞いた俺は既に冷や汗をかいている。
作「ネフィリム陛下、失礼致します。」
いつもより緊張しながら、王の間に入る。
ネ「うむ、入るがいい。」
聞こえてくる口調全てに威圧感がある。
作「陛下、単刀直入にお聞きします。
現在、アザルト、ルスランとの戦いが続いておりますが、戦況は、いかなる感じでしょうか?」
ネ「……そうだな。余が率いるネクロス帝国は、寄せ集めと偽善者ぶってる軍勢に勝っている。
だからだ! どの戦場を見ても優勢である!」
細く開いていた目を、カッと開き、ネフィリム陛下が話す。
恐らく、かなり面白くない状況なのだろう。
作「先程、ここに来るまでに、ソーマ城の苦戦とゆー、情報が聞こえてきたのですが。」
ネ「何だと?! どこでどいつが言っていた?!」
明らかにキレたな、ネフィリム陛下……。
さて、どーしようか、これ以上は命の保障がない自信がある。
作「街中で聞こえただけですので(汗) で、ですがデスの投入などで、優勢になっているとも聞いております(汗)」
その言葉に機嫌を良くしたネフィリム陛下。
ネ「うむ、その通りだ♪ 余の率いる軍が負ける筈がないのだ!!
見ておれ、一気に支配率を上げる兵器を投入してくれるわ!!
ハーハッハッハッ!!」
高らかに笑い、帰り際には兵士に志願しないかとまで言ってくれた。
当然ながら、俺は記者だから、と丁重に、丁重に断っておいた。
後日、アザルトとの戦場が一気に優勢になったと聞いた。
「やっぱり陛下、凄いんだな……。」
そんな事を呟きながら、今日も机に向かってコーヒーを飲みながら原稿を書いている。
10 戦士の休息~ネフィリム陛下編~ 終
最初のコメントを投稿しよう!