12. フェルト様と

1/2
前へ
/46ページ
次へ

12. フェルト様と

今回は、友人のピコが体験した物語を届けよう。 いつもの昼下がり。 城内の見回りをしていたピコは、物置部屋で、ごそごそと音が聞こえたので、中を覗いてみる事にした。 ピコ「何だ?」 手に持っていた槍を使ってドアを開ける。 すると、中から魔物が飛び出してきた。 生憎、今は枝別れした通路で同僚とは分かれてしまった為に一人である。 ピコ「くっ! 仕方ない、ここは俺が止める!!」 日頃からの訓練の成果もあって、動きに無駄がない。 確実に魔物にダメージを与え、後少しで倒せると思った、そんな時、反対側の部屋からフェルトが現れた。 しかし、古文書を読みあさっているのか、こっちで起きてる事には気付いていない様だ。 ピコ「ま、マズイ(汗)!」 とっさに、フェルトを守ろとするピコ。 だが魔物も、そんなピコの動作を許す訳なく、横から攻撃をしてきた。 鋭い爪で横腹を攻撃され、ひざまずくピコ。 目の前に現れたピコに驚くフェルト。 フ「何だ、いきなり現れおって…」 ピコ「くっ…フェルト様、お逃げ下さい…」 フェルトには何が起きているのか分からなかったが、次の瞬間、襲い掛かってくる魔物を見て、事態が飲み込めた。 フ「なっ?!」 とっさに、後ろにジャンプして攻撃を交わす。 しかし、狭い通路。 すぐに行き止まりになった。 フ「くそっ、武器を部屋に置いてきてしまうとは…」 後が無くなり、魔物が襲い掛かった瞬間 ピコ「フェルト様に手出しさせねぇ~❗ 食らえ、ラファエルの剣❗」 目にも留まらぬ速さで槍を繰り出す。 これには魔物も避けきれずに、そのまま床に倒れ込んだ。 ピコ「…はぁ、はぁ…。フェルト様…ご無事ですか……」 そのまま床に倒れ込んだピコ。 そんなピコを見つめるフェルト。 フ「馬鹿が…無茶をしおって…」 広がった通路まで行き、近くの兵士を呼んで、自分の部屋まで移動させた。 ピコ「はっ…こ、ここは?!」 意識を取り戻し辺りを見回す。 薄暗い部屋、良く見えない。 フ「気付いたか、馬鹿者が」 ランプを片手に持ったフェルトが現れた。 とっさの事で、事態が飲み込めないピコ。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加