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12. フェルト様と
今回は、友人のピコが体験した物語を届けよう。
いつもの昼下がり。
城内の見回りをしていたピコは、物置部屋で、ごそごそと音が聞こえたので、中を覗いてみる事にした。
ピコ「何だ?」
手に持っていた槍を使ってドアを開ける。
すると、中から魔物が飛び出してきた。
生憎、今は枝別れした通路で同僚とは分かれてしまった為に一人である。
ピコ「くっ! 仕方ない、ここは俺が止める!!」
日頃からの訓練の成果もあって、動きに無駄がない。
確実に魔物にダメージを与え、後少しで倒せると思った、そんな時、反対側の部屋からフェルトが現れた。
しかし、古文書を読みあさっているのか、こっちで起きてる事には気付いていない様だ。
ピコ「ま、マズイ(汗)!」
とっさに、フェルトを守ろとするピコ。
だが魔物も、そんなピコの動作を許す訳なく、横から攻撃をしてきた。
鋭い爪で横腹を攻撃され、ひざまずくピコ。
目の前に現れたピコに驚くフェルト。
フ「何だ、いきなり現れおって…」
ピコ「くっ…フェルト様、お逃げ下さい…」
フェルトには何が起きているのか分からなかったが、次の瞬間、襲い掛かってくる魔物を見て、事態が飲み込めた。
フ「なっ?!」
とっさに、後ろにジャンプして攻撃を交わす。
しかし、狭い通路。
すぐに行き止まりになった。
フ「くそっ、武器を部屋に置いてきてしまうとは…」
後が無くなり、魔物が襲い掛かった瞬間
ピコ「フェルト様に手出しさせねぇ~❗
食らえ、ラファエルの剣❗」
目にも留まらぬ速さで槍を繰り出す。
これには魔物も避けきれずに、そのまま床に倒れ込んだ。
ピコ「…はぁ、はぁ…。フェルト様…ご無事ですか……」
そのまま床に倒れ込んだピコ。
そんなピコを見つめるフェルト。
フ「馬鹿が…無茶をしおって…」
広がった通路まで行き、近くの兵士を呼んで、自分の部屋まで移動させた。
ピコ「はっ…こ、ここは?!」
意識を取り戻し辺りを見回す。
薄暗い部屋、良く見えない。
フ「気付いたか、馬鹿者が」
ランプを片手に持ったフェルトが現れた。
とっさの事で、事態が飲み込めないピコ。
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