58人が本棚に入れています
本棚に追加
2.アルケイン将軍
薄暗い部屋。
目を凝らさないと足元が見えない部屋に、ワインを片手に鼻歌を歌っている将軍がいた。
「ふふ…今夜のワインは、いつもより美味しいですね…。 僕としたことが、戦場にお気に入りの一本を忘れてしまいましたか。」
そう言いながらグラスにワインを継ぎ足す。
「……失礼するぞ。」
暗闇の中から現れた一人の少女。
「おやおや、フェルト将軍、こんな時間に何の用事でしょうか[?]」
フェルト将軍と呼ばれた少女が言う。
「おい、アルケイン。 ワインばかり飲んでいて、戦場に行っていながら、何故我等の優勢という知らせが届かない[?]」
アルケインと呼ばれた男は、クスクスと微笑を浮かべながら
「僕が戦場に立てば、負けませんよ♪ まぁ、見てて下さい♪」
そう言い切るとグラスに注いであったワインを飲み干した。
その姿を見ていたフェルト将軍は、ため息をつくと、また闇の中に消えて行った。
「ふふっ…♪」
第2章 アルケイン将軍 終
最初のコメントを投稿しよう!