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5.ネフィリム陛下その2
「報告します❗ 現在、我が軍は西より攻めてきたアザルト連邦と交戦中❗
アルケイン将軍、新たに投入された兵器(デス)の活躍により、一進一退の攻防が続いております❗」
王の間に響く、連絡兵の声。
「分かった、下がれ。」
「はっ、失礼します❗」
兵士は深々と頭を下げ、王の間を後にした。
「気にくわぬ…何故、余の率いる軍勢が、寄せ集めと偽善者の軍に勝てぬ[?]❗
えぇい、腹立だしい❗」
いつもの様に行っりきたりしている内に、あるアイデアが浮かんだ。
「いや、待てよ…、デスを一度退かせ、アザルトに深追いさせ、一気に殲滅させれば、後はルスラン共だけ…ふはは❗
我ながら、余の才知には惚れてしまうわ❗❗」
玉座に置いてあったワイングラスを手に取り、一気に飲み干す。
「今に見ておれ、余の素晴らしさを戦場にて示してやろう❗」
ネフィリム陛下は、そのまま高々に笑っていた。
その日の夕方。
「陛下、失礼します。」
扉の奥から現れたのはメリーメリー将軍だ。
「どうした、こんな時間に[?]」
「いえ、アルケイン将軍の事なのですが…。」
困った顔をしているメリーメリーを見て、陛下は、感づいた。
「まさか、アル中になりかけになっているのではないのか[?]」
本音を言い当てられたメリーメリーは、キョトンとした後
「お見通しでしたか…、実はアルケイン将軍の部下から、将軍が準アル中になっていると報告を受けまして…」
予感はしていた。
普段からワイン好きで、暇さえあれば飲んでいた。
そうなったら、やる事は一つ。
没収である。
「分かった。そうだな、メリーメリーよ、フェルトと共にアルケインの陣へ行き、真相を確かめてみろ。 もし準アル中だったならば、対応は任せた。」
陛下は、そう言うと片手に持っていたワイングラスにワインを注いだ。
一方、メリーメリーは満足そうに部屋を後にした。
「…しかし、あの二人の対応…アルケイン、奴も運のない男だ…クククッ…。」
第5章 ネフィリム陛下その2 終
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