産女 ―抱託―

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――和哉くんは私の彼氏です。 ずっと独りぼっちだった私の前に現れた和哉くんは、 とても素敵な人でした。 和哉くんはこんな私と一緒にいてくれて 私の事を、とても大事にしてくれていました。 だから和哉くんが喜ぶ事なら、私はなんでもしました。 彼のいう事ならなんでも聞きました。 お金だって貸してあげました。 それくらい、彼の事が好きだったから。 だけど私はたったひとつだけ、彼の言いつけを破りました。 …それは、私のおなかにできた、彼との赤ちゃんを殺す事でした。
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