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一ヶ月近く経った頃、例の小説が更新された。ただ、その更新の量は尋常じゃない。五百ページ程一気に追加されたのだ。
元々の更新が止まっていたページ数が三百程だったから、これは一大事だ。いきなり目の前に現れた娯楽に、しかしそのまま飛びつくわけにもいかず、俺は好物のカレーを掻き込んだ。
「うわっ! マジかよ! オイ、楽しみにしてたやつが更新されてるぞ!」
同僚の驚きも、やはり例の小説だ。その言葉に対して、知ってるよと短く返して最後の一口を頬張った。
残りの昼休憩は、まさにお楽しみタイム。待ちに待った小説の栞を挟んであるページを開いた。
微妙に忘れかけていたため、まずは栞のページを読み返して記憶を甦らせる。一文字一文字を噛みしめるように読んでいく。
そしていよいよ、次のページボタンをクリックした。
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