絶対に読んではいけない小説(Ver.Another)

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 翌日、全く気分が乗らなかったが、それでも会社には行かなければならない。いつものように車に乗り、会社の駐車場に停める。すると、最近よく話すようになった同僚が丁度隣の車から降りてきた。 「よう、楽しみにしていた小説はどうだった? 一気に読んで寝不足なんて事はないよな?」 「あ、あぁ……」 「どうした? 元気ないじゃん。まさかホントに寝不足?」  心配してくれる同僚に、俺は全てを話した。昨夜の不可思議な現象、こんな眉唾な話しなんて普通は信じないが、コイツは違った。 「まじか、噂は本当だったんだな」 「噂?」 「あぁ、何でも作者が志半ばに事故か何かで死んでしまって、遺された作品が勝手に更新を始めるって都市伝説があるんだ」 「なるほど、つまり昨日俺に起きた怪現象はその都市伝説が関係していると?」 「そうなるな。突然止まった更新と、間を置いて一気に更新された事は俺が知っている噂と一致しているし、読んだら気分が悪くなって読むのを辞めてしまうって噂が流れてるのも辻褄が合うな」  そんな都市伝説があったのか。それにしても、なぜそれを昨日の昼の時点で教えてくれなかったのか……。
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