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予想外の言葉にポカンと口を開けて呆けてしまった。
「間抜け面もcuteだな!」
小十郎さんは見かけによらず、といったら失礼かもしれないけれど、天然なのだろうか?
「放置playって奴か?」
目があった。
小十郎さんはばつが悪そうに視線を逸らした。
若干顔が赤くなっている気がする。
「な、なあ…おい、飛鳥…」
自然に笑みが漏れた。
なんか小十郎さんって可愛い、なあ…
「うぇっ…ひっく、無視すんなよぉ…」
「あれ、政宗さん?
何で泣いてるんですか?」
「Σしどい!」
「そんなことより…」
「Σそんなこと!?」
政宗さんは騒々しい人だな。
「何で俺は働くことになったんですか?」
「政宗様…いい加減泣き止まねば猿飛が…
あ、ああ…そのことか。」
政宗さんをなだめた後、小十郎さんはわけを話しはじめた。
どうでも良いけど政宗さんはやたらと立ち直りが早かった。
小十郎さんの話によると、家賃が足りないらしい。
俺の所持金はいつの間にか飲酒運転の人に殆ど盗られていて、道端に落ちていた俺の財布を拾ったときには既に大した額が残っていなかったと聞いた。
そしてきっと俺の盗られた金は、あの飲酒運転の人の下っ腹の肥やしになるのだろう。
そういえば、預金通帳は?
慌てて鞄を漁る。
鞄の奥底に預金通帳を見つけた。
「あった…!!」
「お前預金なんてあるのか?」
政宗さんつくづく失礼な人だな。
ここ数十分の間で苦手意識が生まれてしまった…。
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