2日目

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「…飛鳥。」 もやもやと悩んでいると、小十郎さんが口を開いた。 「は、はい。」 「とりあえず働いてみないか。」 間髪入れず畳み掛けるように小十郎さんは提案した。 …とりあえず? とりあえずってことは、多分お試し期間みたいなものだろう、と勝手に解釈して、うーんと唸った。 スローライフ 小十郎さんと一緒の職場 憧れの田舎生活 憧れの人と一緒の職場 ………。 「じゃあ、」 「飛鳥ちゃん、ちょっと待って。」 とりあえず働いてみます、と言おうとしたところで佐助さんが口を挟んだ。 …一大決心だったのに…。 くそう邪魔しやがってぇえ…と思いつつ佐助さんの方に頭を向けると、当の本人は俺の通帳を持って苦笑していた。 「何ですか?」 首を傾げながら尋ねると、佐助さんは、あーとかうーんとか言っていたけどやがて言いづらそうに口を開いた。 「あのね、飛鳥ちゃん。落ち着いて聞いてね。」 「?はい。」 一体なんだというのだろう。 何となく嫌な予感がして参りました。 「うん、…や、非常に言いづらいんだけど。」 ここまで溜められると心臓に悪い。 皆さん首を傾げて佐助さんの方を見ている。 「…なんです?」 「この通帳ね、」 まさか。 「ここじゃ使えないよ。」
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