2日目

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「お、お…」 「お?」 お約束ぅぅう!! ズダーン!と膝をついた。 あからさまに皆さんが引いているのがわかる。 しかし気にしていられない。 ちくしょぉぉお!! 強制労働かよぉお! や、働くのが嫌なわけではないんです。 今まで貯めたお金が使えないなんて! あからさまに落胆している俺に青いスニーカーが近づいてきた。 ガシッ 「…政宗さんお耳は掴まないでください。」 政宗さんから耳を掴まれ、落胆モードは強制終了となった。 顔を上げると嬉しそうな政宗さんの顔。 「…バイトだな。」 「……。」 …いらっとします。 なにか…なにか一泡ふかせることはできないものか!! 俺はここに来る前から今までのことを必死に思い返した。 確かここまで来るのにアル中のタクシーと偽った車に乗り、小十郎さんに助けてもらい、なんやかんやで今に至る。 ……タクシー? 「こ、小十郎さんっ!ここから隣町までどのくらいかかりますか!?」 目の前に光がさしてきたような気がした。 多分窓の方に立っている小十郎さんの方を向いたからだと思う。 とにもかくにも小十郎さんの返答によって俺の精神は天国か地獄にいくことになる。 「ここから…隣町。」 お願いします…できるだけ近くに隣町がありますように…! 手をあわせて拝むように小十郎さんを見た。 「飛鳥、すまないが俺は」 「隣町ならばたくしーで5時間程度でござる。」 「ごっ…」 なんとなく言いにくそうに口を開いた小十郎さんを遮って幸村さんが口を開いた。 5時間!? ちなみに、今の俺の所持金…小銭で1000円。 いくら安いタクシーでもこれでは駄目だろう。 「なんだか踏んだり蹴ったりだね…飛鳥ちゃん。」 哀れむような佐助さんの言葉のあとに政宗さんの笑い声が聞こえた。 そうとう面白かったのか、床に転がって笑っている。 掴まれたままの耳が痛い…………みみ? わ す れ て た 。 今まで皆何かしらついてたから気にならなかったけど、この村を出たらこの耳は常識じゃなくなる。 気がついた。 俺は村の外にも出れなくなってしまっていた。
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