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「なに?お前また告られたん?」
「俊!」
この声が少し低い少年はかなの幼馴染。
昔っからかなの世話を焼いてくれる。
横野俊也(しゅんや)16歳。
かなと誕生日が1日違い。
だからまだ16歳。
「そうなのよー!でも俊ちゃん大丈夫。
佳奈美はちゃーんと振ってるから♪」
南がにやけながら俊に言った。
「あっそ。まあ、いつものことだな」
俊はかなが告白されたとか聞くと、すぐ機嫌が悪くなる。
まあ、仕方ないよね。
俊はかなが好きだから。
別に告られた訳ではないけど・・・
判るから。
そういうの。
かなは俊のこと好きだけど、そういう好きじゃない。
だから、俊の気持ちに気づいても、気づかない振りをする。
俊も今の状況に不満はないみたいだし。
このままのがいい。
かなは自分に正直だ、と思っていた。
でも、違った。
かなは嘘つきなんだ。
本当は嘘つきだったんだ。
この時のかなには気づくことができなかったけど。
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