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「……ふぇーん……ふぇーん……ぐすっ」
今だに泣きじゃくるかなでを抱えて、公園に設置されてるベンチに座らす。
さて、とりあえず汚れを落とそう。確かポケットにハンカチが……おっ、あったあった。
「少し、しみるよ?」
ハンカチを濡らし、傷口にあてる前に瑠璃に忠告する。
「………………痛い……?」
涙は止まってるが、めちゃくちゃウルウルした目で見てきた。
「うん。けど少し我慢すれば、もう痛くなくなるからさ」
「…………………わかったぁ……」
よし。早速傷口に優しくハンカチを当てる。
さっきからピクピクと反応してるところを見ると、怖いのだろう。
なるべく早く汚れを取り、絆創膏を取り出した。
「よし、これでおしまい!」
それを優しくペタッと貼った。
「………………ありがと……」
嬉しそうに呟いた瑠璃。もう傷は痛まないみたいだね、よかった。
「さあ、学校行こっか?立てる?」
「……………………ん……」
立っても痛くないか確認するように立ち上がる姿、可愛い。
とりあえず足は大丈夫らしく、俺に顔を向けた。
よし、行くか!遅刻だけどね。
◇
「ふぅ……着いたぁ。道、覚えた?」
「……………………(コクコク)」
そっか……なら良かった。
確か入学式は体育館だから……あっちだな。
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