静かな出会い

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「えーと……お腹すいたの?」 「……………………(フルフル)」 これは違うようで、首を横に振る。 んー……わからん。 「じゃあ…疲れたとか?」 「……………………(フルフル)」 これも違う…… あ、 「迷子……とか?」 「……………………(ピクッ)」 おっ、反応した。 もしかして図星かな?それにしても全然喋らないな……。 「その制服着てるってことは桜ヶ丘高校?」 「……………………(コクリ)」 今度は頷いてくれた。 そうゆうことなら、一緒に行けば問題ないね。 ……いや待てよ?試験とかで必ず一回は高校に行ってるはずだけどなあ。 「まさかさ、道ド忘れしちゃったの?」 「………………ッ!……(ウルウル)」 またまた図星だったのか、顔を赤くしながら目を潤ませた。 おっと、からかい過ぎたか。 「あはは、ごめんごめん。 あ、そうだ。名前は?僕は進藤純」 「………………るり……」 とっても小さなか細い声で教えてくれた。 ……るり、か。 「……いい名前だね、るり」 「……ッ!」 俺の言葉に驚いたのか、少し肩を震わした。 なにかいけないこと言っちゃったのかな?
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