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「………………アリガト……」
恥ずかしいのか俯き加減に呟く瑠璃。やばい……すごいドキッとした。
「さ、さぁ!学校行こうか!」
僕はぐらかすように、若干大きな声で言った。
それを聞いたかなでは、ゆっくりと立ち上がった。
やっぱり小さい。そして華奢だ。
って……あ!ち、遅刻だ……。
「やばいよ瑠璃!遅刻だよ!走れる?」
「……………………(コクリ)」
よぉし!レッツゴ……――
「……ひみゅっ……!」
――二人一緒に走りだしたと思った瞬間、かなでは見事に転けた。
……まさかの運動オンチ。
それよりさっきから全然起き上がらない。つか動かない。
「お、おーい。瑠璃ー?平気かー?」
「…………………………」
返事がない、ただの屍のようだ。
……って言ってる場合じゃない!
「ほら、汚れちゃうから起きて!」
脇に手を入れてひょいっと持ち上げて、無理矢理起こす。
……?あ、まずいぞ……。
「……ふぇーん……」
突然、瑠璃は子供みたいに泣きはじめてしまった。
はあ…仕方ない、遅刻覚悟で公園で休むか。
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