静かな出会い

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「ほら、おいで。体育館はあっちだよ?」 何故か逆方向に進んでいこうとする瑠璃を引き留める。 瑠璃って方向音痴だよね、絶対。 「……………………わざと……」 だそうです。意外と意地っ張りなのかな?      ◇ 「ここが体育館だよ。覚えた?」 「………………………コクコク」 一応俺も新入生なんだよね…なんか不思議な感じだよ。 それより早く入らないと。終わっちゃうよ。 「じゃ、入るよ?」 「……………………(コクコク)」 扉をそーっと開けて、緊張したような面持ちの瑠璃と中に入る。 先生が気付いてくれて、空いてる席に座りなさいと言われたので一番後ろの席に二人で座った。 『次は生徒会長のお話です』 どうやら既に校長先生の話は終わったらしく、ハゲたオジサンが舞台から降りた。 ラッキーだな。 そして舞台にすごい、なんというか…凛とした?美人が上がった。 なんか、真面目できっちりしてそ……―― 「はぁ、朝早くからめんどくさいわー。……あ、新入生のみなさんー入学おめでとー。いじょー、終わりー」 ……見た目とのギャップがすごい人だな。生徒会長は怠そうに舞台から下りていった。 一瞬、目が合った気がしたけど…気のせいだよね? 自意識過剰恥ずかしっ。 『では、これで入学式を終わります。新入生の皆さんはこれからクラス表を掲示しますので、各自行動してください』 司会の人がそう言うと、生徒たちは前に掲示されてるクラス表を見に行った。
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