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「すごい混んでるなあ。空いたら行こっか?」
「……………………(コクコク)」
前を見ると沢山の新入生で群がっている。自分の名前を見付け、一人一人去っていく。
気付いたら既に空いていたので、瑠璃を今度は転ばないように連れてクラス表を確認する。
「えーと、俺は三組か…。あ、瑠璃も一緒だ」
「………………」
心なしか瑠璃では嬉しそうだ。
俺は顔に出さないけど内心は嬉しい。…多分顔に出てるだろうな。
「よし、教室行こっか?」
頷く瑠璃を連れて体育館を出て、人の流れに任せて一年三組へ向かう。
俺の服の袖を掴み、後ろを歩く瑠璃は可愛かった。
……なんだろう。初めてあったはずなのに、不思議と安心感がある。
それに懐かしい雰囲気も感じる。
気のせい、かな…?
◇
「おっ、ここだ。着いたよ瑠璃…ってどうしたの?」
後ろを振り向くと、瑠璃は怯えたような目で少し震えている。
緊張?……いや、それにしては異常な反応だよな。
うーん……聞くべき、だよな。
「なぁ、瑠璃?緊張でもしてるのか?」
「…………………(フルフル)」
うーん……やっぱり違うか。
とりあえず扉の前にいると他の人の邪魔なので、少し離れておく。
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