第2章 海野平合戦

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幸隆 『各々 布陣を終えたか‥よし、弓隊を前面に出せ 相手のどの隊でも良い。 挑発させよ』 挑発させ相手の隊が、 怒らせ隊を出させる事により 敵軍が乱れるのを幸隆は狙ってい た。 『放てぇーい!』 前面に出された隊より 威嚇射撃が放たれた。 ヒューン! ヒュン! ヒューン! 宙に向かい矢が武田軍の、 方面に飛んでいく。 無論、大打撃を与える事は無い。 だが更に幸隆は令を出す。 馬上より家臣を呼び寄せ 『まだ打って来ぬか…?』 『はい、敵も用心深い。 本陣近くに布陣する隊が、 何とか制止しておる様で』 話しを聞き終ると幸隆は その部隊の方を睨んだ。 (武田の嫡子 晴信の隊か‥ こちらの策を見ぬいておるか、 儂より十程 離れた弱冠 二十の 若武者とは思えぬ洞察力じゃ。) 敵ながら天晴れと心中、 思いもするが今は合戦中 寡兵である真田方は、 何としても敵を分裂させ 一隊 一隊を撃破し、 撹乱させたかった。
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