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少しばかりの間ー沈黙が流れた。
幸隆
『で、武田の重臣たる
二人を寄越しての..
来訪、如何なる御用向きで?』
謝罪していた先程とは
打って変わって堂々たる態度で
質問を二人にぶつけた。
勘助は出された茶を、
少しすすり飲むと返答をする。
勘助
『幸隆様、
今のこの情勢を幸隆様は
どう思われておられまする?』
茶入をトンッ!!と、
下に置くと勘助は
幸隆に向け、そう質問を返した。
幸隆の質問に答える前に
勘助は幸隆の考えを知り、
話をどう進めていくかを
知りたかったのである。
幸隆は勘助の目を見据え
幸隆
『南に相模に北条家.
西に甲斐の武田家..
これら二家の強豪に挟まれ
前の戦で多大な損害を受けた
山内 上杉家‥‥
南 西より共闘で攻められれば
東上野 武蔵を領する
上杉家に対し絶対不利に
陥るは必至‥‥‥』
幸隆はまず
山内上杉家周辺の思う処を述べた
勘助
『幸隆様、
そこまで読めていても
山内上杉 ひいては、
西上野国箕輪の長野業正殿の元を
離れぬのでするか!?』
この問いに幸隆は、
ギラリとした目つきで
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