第7章 新たな一歩へ

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幸隆 『つまり・・は、 俺に武田に下れ・・と? そう言う事で?』 幸隆は全てを悟った様に 今だ二人が口にしていない "勧誘"を読み取り、そう口にした その言葉を聞いた二人は 一瞬、顔を見合わせ 幸隆の方へ視線を戻すと、 コクりと首を縦に振ったのだった 幸隆は二人を見て一呼吸する 幸隆 『俺は晴信殿とも、 会った事もある‥ 類稀なる才を秘めし若殿だ。 だがな勘助っ! 俺にも義がある。 それに武田側も、 信濃の我等が旧領に悩まされて おる故に、俺を推挙したのだろ? えっ勘助?信方殿よ?』 全てを見通された様な 幸隆の言葉に熟練の二人も 驚きを隠せず驚愕した。 静かな時が少し流れた時 勘助が口を開く。 勘助 『武田の内情にまで、 お詳しいとは… そう!幸隆様が申す通りにござる』 そう言う勘助に如何に 幸隆が相手でも まだ見方になると決まった者 でも無い者に思惑を話す勘助に 信方は猛将らしからぬ困惑した 表情を浮かべ……… 信方 『おりゃ勘助ーっ さすがに幸隆殿と言え 敵方の者に内情を知らすとはいかん!』 だが、勘助は知っていた かつては数年を共にした幸隆を 調略し勧誘するのに、 表っ面だけのメリットばかりを 並べても何の意味の無い事を。 だからこそ勘助は内情を話し 腹を割って話を トコトンする覚悟を決め 詳細を幸隆に事細かく話したのだった。
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