第7章 新たな一歩へ

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幸隆 『確かに、勘助っ! お前の言う通りだ、 してのー、晴信殿は、 なにか条件を出して 来てはおらんのか?』 神妙な面持ちで身を乗り出し 勘助に問いただす。 それに勘助は手の平を前へ出し・・ 勘助 『いえ、主からは何も、 晴信公は高く幸隆様を、 かっておられまする。 某同様…人物そのものに、 惚れられた様子にて、』 その返答に幸隆は、 照れ臭そうに頭を掻くと、 幸隆 『それほどまでに、 評価してもらえておる事… この上無き喜びだ。 その話…慎んでお受け致そう、』 その受け入れに武田側の 両名は歓喜に満ちた表情を浮かべた。 勘助 『まっ、誠でござるかっ!! いやぁ、幸隆様と共にまた 暴れられるとは‥ 夢見心地じゃ!』 勘助の喜びの言葉に 幸隆 『だが‥』 幸隆がそう言うと二人が聞き返す 『だが‥何に??』 『なんで御座ろう?』 その疑問に幸隆は 幸隆 『この弾正にも、 誇りが御座る。 おいそれと出された餌に 食いつくだけのものと 一緒にされては困る… 確かに、かねてよりの 旧領への復帰は念願であった… 仇敵とは言え誠に有り難い話だ、 ここで条件をこちらから出したい』 その言葉に両名は、 幸隆の誇りを見た。 そして次に口から 出てくるであろう… 条件と言うものが 気になり息を飲み 幸隆の言葉を待つ。
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