第7章 新たな一歩へ

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幸隆の言葉に、 感じ入った信方と勘助は 互いに顔を見ると、幸隆に 返答をかえした。 勘助 『甲斐へ戻らば御館様へ お伝え致しましょう。 して幸隆様は如何にして 上野から甲斐へ 向かわれるので?』 信方 『そうじゃ、 貴殿は上杉に客将として 仕える身‥ 如何にされるつもりか?』 二人の問いに対して幸隆は 平然とした面持ちで答える 幸隆 『必ずや甲斐に赴く。 いまはそれ以上を答え出来ぬ。 では晴信公に宜しく お伝えくだされ、』 そう答えると立ち上がった。 勘助 『では… わかり申した、 晴信公へ了承戴いた旨 お伝え致しまする、 では、これにて我等は 失礼つかまつる、』 そう言う勘助に信方は 信方 『おい、まだ如何にして 来られるのか聞いておらんぞ、 話を通して来るのか、 はたまた出奔という形を取るのか、 迎えの手勢はいるのか、』 勘助 『よいのですよ、信方殿、 幸隆様の言葉通りを信ずれば…。 "必ずや来る"と仰せられた… 余計な詮索は無用と、』 力強い勘助の言葉に信方は、 ふむう、と納得し 二人は屋敷を出て、 甲斐への帰路に着いた。 幸隆 『ふう、これから、 辛い選択をせねばならん‥な。』
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