第7章 新たな一歩へ

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箕輪城 城内の櫓から城下町を 見下ろす業正は、 考え事をするように 遠くを眺めていた。 『なにやら思案しておいでか?』 傍に居る上泉信綱が声をかける 『ふむ。 弾正よ、近頃は 顔を出さんな まだ寝込んでおるのかの』 『ふっ、あやつなれば すぐに元気になるでしょう!』 『よし、見舞いに行ってやるか!』 唐突に閃いた様に 手を叩いて言う業正は 他人思いなのだろう 『今からで御座るか?』 信綱が問う 夕陽が照り出している 直に夜になる 『あぁ、今から行こう。 そちもついて参れ、』 と、出立を促す。 二人は供を数人連れて 夕陽に照らされた道を 馬を走らせた。 城下に出て少し馬を走らせば 幸隆の屋敷なので 時間はさほどかからずたどり着く だが、 この時、幸隆たちは 甲斐へ向けての準備を 行っている最中であった そこへ業正たちは 見舞いにやって来たのだった
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