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帰り道
『とうとう出ていくか、弾正‥』
ポツリと業正が呟いた。
『なっ殿は気づいて‥』
信綱が唐突に口にした
信綱自身も気づいていた
だが、幸隆が苦悩の末に
決心した事
旧領回復を悲願としている事
を知っている
なにより友が下した
決断を前に自分の思いを
胸にひた隠していたのだった。
『ふっ、バレバレじゃろう?
だが咎めれはせんだろう?
やつは簡単に人を騙したり
裏切ったりする様なものでも無い
悲願を達成するために
決断したんだ‥
何故、横槍を入れれようか』
(器がでかいなぁ)
信綱は心中
こう思った
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