第7章 新たな一歩へ

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『幸隆よ、 武田晴信は文武両道の大将 これから飛躍するだろう‥ だが、儂の目が黒い内は 上野を取れると思うなよ、』 その眼差しからは 応援する気持ちと これからは敵になる事もある という乱世の厳しさを表している 『はい、心得て御座る。』 『お前ならば必ずやれる! 見事、悲願達成せよ。 そしてヌシの名を この日の本に轟かせい、』 その言葉に幸隆は胸を熱くする そして業正は手勢を持って 幸隆等を警護し 国境まで送り届けると 自らかって出てくれた その隊の中には いずれも幸隆と親しくしていた 者たちの顔が沢山あった 『我等を忘れるなよー!』 『きっと旧領を取り戻せよー』 『分かれていても仲間だからなー』 といった幸隆を思い 皆が声を掛けてきてくれた そんな声に幸隆は再度 胸を熱くした そして国境付近に近づき 甲斐への入り口に差し掛かった 関所では山とかかれた旗印が 確認でき関所の二階から 見覚えのある顔が眺めていた 『弾正様が来られたか、 はて、しかし何故 上野国の手勢が警護を‥ よし、迎えに上がる 誰ぞ着いて参れ、』 勘助を階段を急いで 降り立ち門を開けさせ 幸隆の一行の元へと急いだ
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