第8章 別れと旅立ち

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武田家の本拠地 躑躅ヶ崎館 ドンッ!ドンッ!ドンッ! と勢いの良い足音が、 近づくと平伏の姿勢をとる。 『面を上げい、 余が武田家当主 武田晴信だ。 名乗らずとも知っておるわな、』 笑みを漏らす表情で 第一声を投げ掛ける 平伏から上に姿勢を 正した幸隆は 『真田弾正幸隆に御座る、』 『よし、挨拶はここらでよかろう 久しいな、弾正!』 気軽な物言いで 幸隆に言葉を振る 幸隆は軽く会釈をして 短く返事を返すと 晴信に視線を戻した 晴信 『で、うちに来てくれると言うのは誠か?』 幸隆 『ご迷惑でなければ 武田家の末席に連ねさしてもらえば!!』 晴信 『ふぅ、徹底交戦で構えて おった貴殿等がようも折れてくれたもんじゃ。 我等としてはむしろ歓待したい!! よう参ってくれた!!』 そう言うと晴信は 幸隆に頭を下げた。 側近たちはおろか 勘助達も驚愕する その行動に幸隆は 幸隆 『な、なにをなさるっ!! お止め下されっ! 一浪人に一国の主が、、』 勘助 『お館様!!!』 晴信は皆の言葉をよそに 頭を下げたまま、言葉を口にする
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