第8章 別れと旅立ち

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『正直の処、困っておる。 南信を手に入れるは目前 次は北信だ。だが、 団結の強い北信豪族は 村上を筆頭に頑強に抵抗し 攻略どころでは、ないのだ。』 余程に頭を抱えていたのだろう 普段は弱気を口にしない男が 困難な現状を説明し始めた 勘助 『無論、調略も行ってますが。 中々上手くは行かず、、 我等が出兵すれば 豪族衆もなびくのですが 撤退すれば、再度反旗を翻す様で』 勘助も下唇を噛んでこぼす 晴信 『約束は守ろう。 切り取り次第に旧領は そちに渡そう、 もはや切り崩しを行えるのは そちのみだ!!! 難しい仕事だ。出来るか!?』 強い眼差しを向ける晴信に 幸隆 『はっ、されば数年の内に 武田家の旗を北信に掲げましょうや!! ズッシリと土中まで 杭をはめ込んで、』 幸隆は自信に満ち溢れた 爽やかな笑顔で答えた 晴信 『頼もしいのう、 今の儂に冗談は通じんぞ、弾正!! ふふっ楽しみになってきたわ、 そちと歩むこれからの乱世が』 この二人の姿に 勘助は感動を覚えた 『また弾正殿と共に出来るとはっ いやはや、嬉しきこの上無いっ お館様、武田は大きゅうなりますぞー』 勘助からすれば 幸隆は旧主であり友である 現在の主である晴信と幸隆が 手を握ったこの時を 勘助は幾度なく夢に見てきたのである 晴信 『言いおるな、勘助!!! はっ、弾正殿よ 是が非でも手柄をあげねば 我が軍師は偽物になってしまうわっ!』 幸隆 『あまりに期待さすなよ勘助っ!!』 笑い交じりで答えると、 勘助へ感謝の気持ちを胸にした
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