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武田家へ加入してから
幾月か経った秋
幸隆は積極的に調略を行い
武田に有利な状況へと導いていた
過去に幸隆と友好的であった
豪族や在地領主たちは
幸隆の利をついた説得に、
『真田殿が申すなれば致し方なし。
我等とて無益な戦は避けたい。』
『貴殿が申すこともっともなり。
武田に手を貸すは、気乗りせんが
貴殿にならば助力いたそう』
『我等もこれよりの進退を
思案しておった処だ。
領土安堵なれば、旗色を変えよう。』
こう言った具合に
豪族たちを、口説いた
幸隆はまず第一手を成功させていた
『まだだ、まだ村上の力を
削いだ訳ではないっ!!
奴等も手を打ってくる。』
油断は一切せずに次の手
次の手を思慮していた
だが、それと同時に
焦りが生じていたのも事実で
『旦那、少し急ぎ過ぎては!?』
『お休みくだされ、急いては事を、』
供廻りの甚平や喜平たちが
あまりの勢いたつ姿に
忠告を促すも
『おろおろと休んでおれるか、
こちらから期限を付けたのだ。
それにこうしておる間にも
村上は力を付けておるのだ』
『いや、旦那。
まずまずの成果を上げておりやす、
一旦は速度を落とすべきと』
『だまれっ、俺はやらねばならんのだ。
旧領を、俺を慕っていてくれた者等の為にも』
『旦那の気持ちもわかります!
今は情勢を見極め時を待つのもっ』
『だまらんかっ!!』
普段ならばこうした衝突も
無かったであろうが、
この時ばかり焦りに際悩まれていた
その為、攻略開始時より
時折、このような衝突が起こる様に
なってしまった。
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