― 真田の咆哮 ―

第９章 攻略開始

葛尾城

上座に座する如何にもな雰囲気、
そして立派に髭を蓄えた男が
側近より報告を受けている。

『ふんっ、小癪なやつらよ
あちら、こちらで流言やら
勧降に動いとる者がおると！?』

『はっ、何やら我等が
美濃、飛騨に敵を構え
窮地に陥っておるやら、
武田に付けば商いが
関東にまで広がるやら』

『成る程の、
周辺の取り込みには
都合良い話ばかりよの
武田にとって、
して豪族衆の動きは??』

『はい。小県、佐久周辺の勢力に
動きがある模様。それ意外は
我等に臣従の旨、変わらぬようで、』

『臭うな』

『何がでございましょう??』

『小県、佐久は元は真田領で
あったな、その周辺のみ
動きがあるは、なにやらキナ臭い。』

そこまで聞くと側近も
感じ取ったようで

『その周辺に影響を持つ者が
動いておると言うことでしょうな
真田が武田に与し動いておる、と??』

『うむ、一番に合点がゆく。
如何にして取り込んだ武田の若造
真田弾正が付いたとあらば
難儀じゃ、こちらも手を打たねばの』

『しからば、こちらも
調略を行い、今一度結束を固めねば
なりませぬな、小笠原様にも
お伝えしておきましょう』

『うむ、早急に手を打て！
真田弾正は知謀にすぐる』

村上方も幸隆の目立った動きを
察知し、対策を練って動き出そうとし
ていた