第2章 海野平合戦

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『オオー!次はどいつじゃ! 我が名槍のくさびになりたい奴か らかかって来いーッ』 鬼神の如く槍を振り回し 進撃する幸隆の気迫に、 武田兵は恐怖しおのずと道を、 開け出した。 退却戦である。 後方は敵の別動隊が 敵中突破を遂行中の真田軍を、 追いかけて来ている。 幸隆は死に物狂いで、 槍を振るい突き進んだ。 剛兵で鳴らす真田兵の強さも、 退路を開く為に想像以上の働 きを見せ幸隆に貢献した。 そんな猛牛の様な真田軍の前に、 1つの隊が現れた。 武田 晴信隊である。 他の隊に比べ統率が取れている。 『真田本城主、真田 幸隆殿と、 御見受けいたしたー! いざ、覚悟ー!』 地位の高そうな若武者が、 そう叫び幸隆に向かい 馬で駆けて来る! 武田 晴信である。 続いて板垣 信方 甘利 虎泰が続いた。 『若殿ーッ御待ち下されー!!』 『若ァーッ!成りませぬッ』 ここに幸隆は、 武田 晴信と対峙した。
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