第2章 海野平合戦

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そんな後ろの声を無視し 晴信は幸隆に一直線に、 向かい駆けて行った。 『貴殿は武田の嫡子、 晴信殿と見受けたッ! 一刻の有余も無い処… だが向かい来られるならば お相手つかまつるーッ』 槍をブンッブンッと 振り回し晴信に向け 一振を仕掛ける。 【バッキーーンッ!】 晴信はその攻撃を刀で受け止めた 『中々、やるなッ! 次は儂の番じゃーッ』 晴信は幸隆の槍を跳ね返すと、 攻撃に転じた。 その攻撃を幸隆は槍で跳ね返す。 【バッキーンッッ!】 『流石は武勇 響かす真田じゃ! 噂は本物じゃ、ゆくぞ!』 そう告げ再び刀を握り 幸隆に向け一太刀浴びせた。 武田兵は真田兵が食い止め 幸隆と晴信は正に一対一の勝負を 演じていた。 幾度か打ち合い攻勢を繰り広げた そして…… 【カッキーーン!!】 晴信の刀は宙を舞い地面へ 突き刺さった。 『くッ…これまでか…』 晴信はそう呟いた。 その時であった… 後方より馬の蹄の音が聞こえ 出した。 武田方の別動隊が、 追い付いて来たのだ。 幸隆はそれに気づくと…
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