第3章 山内 上杉家

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幸隆は今、平井城の広間に居た。 業正と共に憲政を待っている。 半刻ほど経つと足音が、 広間に向かい聞こえ出した。 憲政は上座に座った。 幸隆は平伏の姿勢をする。 『余が関東管領 上杉憲政である 真田源太左衛門(幸隆の通称)殿 であるな!?』 幸隆は顔を上げ 『はッ!此度は目通り叶い 恐謁至極に存じまする。』 礼の言葉を尽くし受け答えする。 憲政 『うむ、貴殿の噂は隣国である 上野まで響いておる。 武田とはいずれ雌雄を決する だが相模の伊勢(後北条氏)を、 黙らせねばならぬ。』 憲政は鎌倉時代の執権北条の名を 名乗る後 北条氏を、伊勢と呼ぶ 管領職である自分より下の地位 にある後 北条氏が執権の名を 名乗ると言う事は関東制覇を 表立たす行為であった。 業正 『関東公方 晴氏様も討伐を、 考えておられる。 このまま野放しにすれば、 関東は北条に呑まれる!』 業正が幸隆に説く 憲政 『北条では無い。伊勢じゃ! 新興勢力がなめおって、』 憲政は話しを元に戻し幸隆に 『貴殿の力量は噂通りであろう これより客将という形で 上杉に仕えてもらおう。 今日より励まれよ、』 その言葉に大きな返事を返した。 これにより幸隆は上杉家の 客将となり家も与えられた。
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