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― 西上野 箕輪城 ―
業正
『遂に晴氏様が立たれる様じゃ!やっと時が来たんじゃ』
猛将と名を馳せる業正は、
興奮を押さえれず奮起する。
『左様で御座りまするかッ!
某も従軍いたしとう御座る。』
それに便乗して幸隆も奮起する。
この合戦で北条が倒れれば
山内 上杉が次に争う事に
なるのは、隣国 信濃に手を、
延ばしている甲斐 武田家である
業正
『幸隆殿、此度はもの凄い数の、
軍勢が集まるぞ!
何と言っても関東の諸将を
集めての大軍勢じゃからの』
『で、御座りまするか。
某も手柄を挙げ!
早う旧領回復の悲願…
成し遂げねば…』
少しうつむき加減で
そう‥言葉を漏らした。
上野に来てからはや数年…
動きの無かった上杉家が
打倒 北条に向け動き出した。
幸隆は旧領とは関係無い事でも、
上杉が何らかの動きを見せた事に
安堵したのであった。
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