第4章 相模の獅子

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北条方の武蔵国に建つ 最前線の砦、 河越城は関東連合軍により 完全に包囲されていた。 この城の主は北条綱成。 元は今川に仕えた将 福島筑前守の子である。 その才気を買われ北条性を 許された武将。 ―河越城― 周りを囲まれ劣勢に、 焦りたつ諸将を前に 静観を保っていた。 将1『氏康公は援兵を出す気は、 お有りなのかッ!!』 将2『いいや!援兵が来ようが、 数に違いが有りすぎる。 早う城を捨て退けば 良かったんじゃ!! こんな事態にはならなんだに、』 綱成は目を見開き 諸将に一喝する。 綱成 『黙らぬかッ!! 此処が落ちては相模が、 危ういんじゃ。 皆、兵等を鼓舞する立場で あろうがッ!! 北条武士が弱音を吐くで無い。 状況を打破する奇策はある。 氏康公を信じよ、 この戦‥負けるは北条にあらず。 必ずや勝利を手にするは 我が北条家となる!』 自信に満ち溢れた 力強い言葉に諸将は 何も言い返す事は無かった。
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