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幸隆がそう言うや否や、
上杉陣営から使者が参る。
『申し上げまする!
今より上杉本陣にて、
軍議を取りますゆえ、
陣に参られたしッ!』
幸隆はグイッと腰を上げると
神妙とも笑みとも取れる表情で
軍議の間へと歩みを進めて行った
ー 上杉 本陣 ー
諸将も集まり
軍儀が始まった。
軍の大将、憲政が
まず口を開く。
憲政
『伊勢の氏康めが、
なにを血迷ったか‥
出陣して参ったと
報せが入った!』
その言に諸将は、
口々にこう言う。
『最早、これまで…と、
玉砕しに参ったのか…と。』
数におごる連合軍には
最早、緊迫というものが
無かったと言える。
逆に北条は未曾有の
"大危機"である。
そんな軍儀の中
意を唱える武将が二人いた。
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