第4章 相模の獅子

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幸隆がそう言うや否や、 上杉陣営から使者が参る。 『申し上げまする! 今より上杉本陣にて、 軍議を取りますゆえ、 陣に参られたしッ!』 幸隆はグイッと腰を上げると 神妙とも笑みとも取れる表情で 軍議の間へと歩みを進めて行った ー 上杉 本陣 ー 諸将も集まり 軍儀が始まった。 軍の大将、憲政が まず口を開く。 憲政 『伊勢の氏康めが、 なにを血迷ったか‥ 出陣して参ったと 報せが入った!』 その言に諸将は、 口々にこう言う。 『最早、これまで…と、 玉砕しに参ったのか…と。』 数におごる連合軍には 最早、緊迫というものが 無かったと言える。 逆に北条は未曾有の "大危機"である。 そんな軍儀の中 意を唱える武将が二人いた。
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