第4章 相模の獅子

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幸隆が報せを受けた時の、 戦況はこうである。 本拠 小田原城へ撤退し 籠城に踏むだろうと 考えられていた北条勢. 当然、圧倒的に数で勝る 連合軍の諸侯は. 腰抜けめ!と侮り、 油断してしまう。 が… 名将 氏康は人の心理をかいた 策略を用い、退却から反転! 夜霧に紛れ油断していた 連合軍に奇襲をしかけた。 土地勘も無く、 突如として襲いかかってきた 北条勢に連合軍は、 蜘蛛の子を散らしたかの様に 退却していくが… それを見逃す事なく 絶好の好機とばかりに 勢いに乗る北条勢は 追撃の手を休め無かった。 幸隆が陣取っていた場所は 軍の西後方に位置していた、 それ故、まだ被害は無いが よくよく目を凝らし眺めて見ると 戦闘らしき光景が広がっていた。 更に連合軍の士気を下げたのが 甲斐の武田晴信が兵を率い 北条に援軍として現れた。 連合軍は絶対的有利から 追撃を受ける退却部隊に なってしまった。 幸隆 『おい、権平!お前は手勢を 率い長野殿が元へはせ参ぜよ!』 テキパキと指示を下すと 一呼吸おいた。 そして、 幸隆は号令をかける。 『俺について参る者は、 命を捨てついて来いっ!! 我が部隊の任は管領様を お助け致し無事、平井の城へ お連れする事じゃ、 者共わしに続けぇ~!』 幸隆は自慢の十文字槍を 天に掲げると、上杉の旗印を 目指し上杉救援に向かった。
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