第4章 相模の獅子

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幸隆 『業正殿!敵も、 中々にしぶとう御座るなッ』 業正 『フッ、易々とはー 帰してくれそうには… 無いかッ!!』 主家 上杉憲政を無事、 上野国へ帰還させるべく 二人の猛将は、自身も手傷を、 負いながらも奮戦に奮戦を 重ねていた。 ー 北条軍中 本隊 ー 『清水、首尾はー!!?』 氏康は馬上より、 敵方を眺めながら 家臣に戦況を聞く。 清水 『ははっ、 中々にしぶとい部隊がおる様で 更に追撃の一手を伸ばして おりまするが… 約少数の部隊、 それと西上野衆… こちらへ猛反撃を繰り返し 上杉憲政殿、古河公方 晴氏殿 国元へ退却成功致しましょう』 氏康 『西上野…長野か、 あれは強いぞ!! 清水!少数の隊とは いずこの隊か?』 清水 『はっ!詳細は判りませぬが、 元は信濃国の豪族 海野家の一族で、 真田幸隆と言う者で御座るが… この隊の強さ… 尋常に御座りませぬ。』 『真田…。よし、管領と公方が、 引き上げれば我等は用を済ます 事になろう。 領内より一挙に押し、 あとは牽制を武田家に任そう! 箱根山の風間騎馬隊に、 最後の一手を命ぜい!!』 『ははッ!!』 カキィーン!! キィィーーン!! 『今しばらく踏ん張ってくれッ! 管領様らが退却完了せば、 我等も引く! ここが勝負所よ!!』 幸隆は槍を振り回しながらも、 周辺の兵士を鼓舞する。 業正 『真田はやはり只者では無いの、 ほれッ!!上野衆の猛威、 北条勢に目に者見せてやれ~!』 カキィーン!!! 幸隆等の活躍もあり、 上杉憲政 公方 晴氏は 撤退に成功する。 幸隆 『む…あの手勢‥ 今までの奴等とは違う…』 幸隆が目にしたのは、 隊列が乱れる事無く 暴れながらにこちらへ 疾走してくる荒武者軍団の 姿であった。 味方も敵も最早、少なくなった 戦場に一際、存在感を放つ その部隊は幸隆と業正、 西上野衆の前に現れた。 ひとつの部隊を瞬く間に 蹴散らしたその部隊は 俊敏に駆けている。 そして、上野衆の1隊が 攻撃された時… カキィーン!!キィーン! 業正 『おのれッ!まだこんな奴等が おったか、我こそが箕輪が主、 長野業正じゃ、 相手になれーぃ!』 長野軍が救援に向かい 幸隆も長野軍を援護すべく 向かった。 『あれが名高き上野の雄. 長野業正か、迎え打てぇー!』
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