序章

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幸隆は矢継ぎ早に入ってくる 情報を受け思案を重ねていた。 幸隆 『敵勢の数は如何ほどになる?』 閉じていた目を開き、 側に居る臣に聞いた。 『はい。六千は下らないかと、』 甲斐は山々に囲まれた 小さな国ではあるが、 一国の領主格である武田家と、 幸隆の勢力差は明らかであった。 『海野殿は臨戦態勢を保ったまま か?』 幸隆の言う海野氏は、 真田家の本筋に辺る同盟国である 『徹底交戦の構えで御座ります』 それを再度、確認すると 席を立ち城内の窓から、 真田領を目を細め眺めた。 小競り合いは今までも 幾度無く有り、幸隆は それらを退けて領土を 守ってきていたが、 今回は敵である武田を始め 武田に与する信濃衆も本気である それを感じ幸隆は覚悟を決めた 『我 領土を脅かすというならば 儂も黙ってはおらぬ。 覚悟して来い!武田軍!』 覇気に満ちた言葉を吐くと幸隆は まだ見ぬ武田軍の方向を睨んだ
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