第5章 真田対武田

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晴信が制止の言葉を、 言い終わるか‥終わらないかの、 その時であった! 板垣 『くっ‥何奴かッ!?』 急な不意の攻撃に驚くと共に 地に刺さった刀を手に取り、 攻撃してきた者に問いかける。 『じゃからにっ! 殿に手出しはさせぬと、 言っとろうに…』 長刀を片手に甚平は、 間一髪‥援護に駆け付けた。 甚平 『甲斐武田の重臣.. 板垣 信方殿と見受けたっー! あの両人の邪魔はさせぬ、 よって‥貴殿の相手は、 某が請け負おうッ!!』 覇気の浴びたその言葉に、 板垣 『面白い‥! 先程は不意を取られたが…、 おぬし如きが儂の相手‥ 務まるかのーっ』 板垣と甚平は、 刀の矛先を互いに向け 互いに主である.. 晴信 幸隆を守る様に剣を交えた。 『てぇぇーーーいッ!!』 『うりゃーーッ!!』 ガキンッ!ガキンッ! と、互いの刀が火花を散らす。 板垣 『中々の手練れの様じゃの、 はて‥長刀の甚平…、 何処かで耳にした様な‥』 甚平 『俺ァ‥信濃の出身じゃ! 貴殿程の者が俺の名など かすった事があるとは 嬉しき限りよ、』 キィーーン!!! 再び両者は打ち合う。 正に一歩も引かぬ打ち合いだ。
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