第6章 各々の動向

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幸隆は信綱とほぼ同輩と、 いう事もあって友人の様な 間柄であった。 信綱 『幸隆、お前 武田の当主と打ち合い したそうじゃねぇか!』 信綱が幸隆に河越合戦での 幸隆の活躍の話を振る。 幸隆 『あーヌシは地獄耳か、 敵中突破を狙って おった折に出くわしての、』 その時の出来事を詳しく 聞きたがるので詳しく説明する。 信綱 『ほう! 武田の当主とは二度目の 打ち合いになる訳か、 幸隆‥やろうと思えば やれたであろう… ヌシ程の腕前を持つ者が‥ なぜだ???』 幸隆 『武田晴信‥ あの御仁はあの様な 場で死ぬ様な方では無い。 いずれは天下に覇を唱える事も できるであろう器の持ち主。 その様な方を、 どうして殺せようか』 仮にも幸隆にとっては敵である その敵をここまで称賛できるのは 幸隆の器の大きさを示している。 信綱 『ほお、 それ程の人物かー武田晴信!』 信綱 『しかし問題はこれからじゃぞ! 管領様は無気力気味‥ 北条は士気旺盛! なにか手を打たねばなるまい』 信綱がそう言うと‥‥ 幸隆は神妙な顔つきで、 幸隆 『恐らく扇谷上杉は滅ぶであろう そして古河公方は隠居 もしくは追放であろう そして最終的には‥‥‥ 山内上杉も侵攻されるだろう』 幸隆は史実にもある通り 先見の明に長けていた。 西上野箕輪の長野家は 山内上杉とは別に、 支配権を持つ 上杉家臣ではあるが 独立した勢力国家である。 信綱 『ヌシは頭も切れるからの、 その様になるかは知らぬが‥ 長野は倒されないだろうな! 俺の勘だが、』 幸隆は首を縦に降り 幸隆 『あの猛将が易々と やられる筈がなかろうもん! が、何か手を考えねばのー!』 雑談は長い時間続いた 今後の上杉の事 長野家の事 各地の動きの事 こうして一同は自邸へ 一旦、帰宅したのであった。
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