第6章 各々の動向

14/23

242人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
ー 尾張国 古渡 ー 『御館!先だっての、 相模北条家と関東連合軍の 勝敗が決まった由にてっ!』 こう報告に参ったのは 若き日の柴田権六勝家である。 御館と呼ばれた人物は 弓道の鍛練を止め、 弓を置き勝家に近づき、 『ほー、して獅子が 勝ちおったんじゃろう?』 と返した。 勝家 『なっ‥もうお知りでしたか!』 『儂は駿河の今川とは、 敵対しておるだろう? 北条も敵対しとるじゃて‥ 尾張と相模で挟み撃ちに 動きを封じるため‥ 以前から文のやり取りを しとるでな‥』 勝家 『左様でしたな… しかし、ながら 北条氏康‥ 噂に違わぬ名将ですな。 管領 上杉に協力した 今川も驚愕しとるでしょうな!』 そんな会話の中… 少年が慌ただしく その場に入って来た。 『こっ‥これ!若っ! 御館様は今、弓道の鍛練中です 終わるまでお待ちをば、』 老年の武士が後を追い 止めようとするが少年は 駆け足に御館と呼ばれる男に近づき 『親父!相模の北条が 勝ったらしいな~!!』 その言葉に御館と呼ばれる男は 『これっ!また城を抜けて来たのかっ!そちは名古屋城主ぞ! 勝手に動き回るで無いっ! 吉法師!』 『まあ、良いでは無いか! 俺はまだ元服前だ! 子供らしく動き回って なにが悪い、』 政秀 『御館!申し訳も御座らん、 某が付いていながら‥』 と頭を下げ言うと‥ 『良い良い、が‥ あまりにひどければ 家中より避難の声が出る! そこが心配よ、 あやつは幼いながらに 天性の卓越した器量を持っとる 大変じゃろうが頼むぞ!政秀!』 小声で吉法師に聞こえない様に 耳打ちで返答をした。
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

242人が本棚に入れています
本棚に追加