館の住人

9/21
前へ
/39ページ
次へ
「そんな関係ではないよ。付き合ってる一歩…二歩手前みたいな感じか…。」 「微妙…。」 樹はクスクス笑った。それから部屋に戻った。 俺もいろいろありすぎて少し疲れた…。 じいさんにも話を聞かなきゃいけないかな? なんだか、俺ポイ捨てされたみたいだし…。 いやいや、あのじいさんに限ってそんなことしないか…。また卑屈になるとこだった…。 短時間だけど、じいさんのこと信頼しかけている自分がいる。 …だから怖かったんだ。また捨てられるのかと思うと…。 ベッドに横になり、布団の中で小さくうずくまって泣いた。 今日はもぅ寝よう…。 話は明日…きちんと聞けばいいんだから…。そう思っているのに、涙が止まらない。 その日は結局、寝られなかった…。 .
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加