館の住人

15/21
前へ
/39ページ
次へ
「真白。ナオと話があるから凛か…琢磨のところに行っておいで。」 「はぁい。バイバイ、ナオ兄ちゃんっ!!」 真白は手を振ると、走って行った。じいさん…俺が何しに来たかわかっていたんだ…。 「寝られたか?」 「いや…。」 「飯は?」 「梓さんが作ってくれた…。」 「そうか…。」 静かな部屋の重い沈黙に…アナログ時計の針の音とお茶を飲む音が響く…。 「じいさん…いっぱい聞きたいことがあるんだ。まず…あの家に住んでるやつらは?」 「わしが拾ってきた…皆お前みたいに死んだ目をしてたからな。」 じいさんは湯のみを置き、俺の目を見てゆっくり話してくれた。 それにしても…死んだ目か…。 「死んだ目か…俺も…はじめからあそこに入れるつもりだったのか?」 「どうかな…生きる力がついたら自分から出ていっただろうしな。もしくは…。」 。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加