ひとり

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ーー ―― ―――… 目を冷ますと昔ながらの和風な天井が一番最初に見えた…。 周りを見渡すと、ここは…和室? 畳があって布団だ…。何年ぶりだろう?こんな温かい布団 って、ここは一体…? 「あっっ!!じぃじ、いきかえったよっ!!」 幼い女の子の声と走り去っていく足音…。 聞き覚えがある声だった…。 しばらくして、じいさんがやってきた。 「目を覚ましたか?具合はどうだ?」 「…。」 あ…俺を運んだじぃじと女の子… でも、俺は答えなかった。礼も言う気もない。 あのまま見殺しにしてくれればよかったのに…。 「わしは北野だ。この子は真白、5才だ。真白、水をもってこれるか?」 「うんっ!!まかせてっ!!」 真白はパタパタと水をとりに行った。 じいさんは真白がいなくなったのを確認すると俺に問いかけた。 「死ぬ気だったのか?」 .
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