ひとり

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じいさんはまっすぐ俺の目を見て、さっきまでとは違う真剣な顔をした。 俺は答えなきゃいけないような気がして…コクリと頷いた。 なんでも見透かされている気がして…。 「そうか…。名前は?年はいくつだ?」 「ナオ…上矢ナオ…17…」 今度は優しい笑顔になって…… 「ナオか。しばらくここにいるといい。」 一言言って立ち去った。 代わりに、真白がマグカップに水を入れて戻ってきた。 「ナオ兄ちゃん、はいっ!!」 純真無垢な笑顔は俺も自然と笑顔になる。 「ありがとうは?」 今度はほっぺたをプクと膨らませている。 「ぷっ……ありがとう…」 そしてまた笑顔になる。 真白には一瞬で心を捕まれた気がした。 .
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