ひとり

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「じいさん…。なんだよ。」 「お前は何度言えばわかるんだ。北野さんと呼べっ!!」 じいさんの部屋は和室で、仏壇があって木のテーブルがあって…なんてことない普通の部屋だ。 そんなじいさんの部屋に入り、ぶつぶつ言ってるじいさんの前に座る。 何だか今日はちゃんとした話しのようだな。そろそろ出ていけとか言われるのかな? だったら嫌だな…。 俺…ここ好きになりかけていたのに…。 「実はな…ナオの体調がもどるまでに捜索願いとか出ていないかとしばらく探してみたんだが…。」 「…なかっただろ?」 「ああ…。学校関係者にも探りを入れてみたんだが、辞めたと聞いてな。…勝手にいろいろ調べて悪かった。」 じいさんは俺に頭を下げた。 俺は驚いた…いや焦った。謝られたことなんて一度もなかったから…。 「何で謝るんだよ?俺のこと心配してくれたからの行為だろ?」 じいさんは黙って調べられるのは嫌なもんだからなと言い、俺に苦笑いを見せた。 .
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