ひとり

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「あとな…ここを出ていかなくてはならないんだ。」 「えっ…?何でだよっ!!」 「お前が来る前にここに買収の話があったんだ。 いい条件だったから売ったんだが、お前が来たから出るの待ってもらっててな。 今週末には出ていかなくてはならん。」 今週末…あと3日じゃねぇか…。 また俺はひとりになるのか…。 「一緒に来ないか?」 俺は俯いていた顔をあげ、じいさんを見た。するとじいさんは笑い出した。 「なっ…なんだよっ!!」 「ハハハッ!!置いていかれると思ったのか?」 図星だった……。俺はまた俯いた。きっと、顔が真っ赤だったから…。 「今度住むことになった家もわしの家なんだが、広すぎてな。人に貸してたんだ。」 「…。追い出すのか?」 「まさか!一緒に住むんだ。」 「はっ?」 「いろんな人がいる。なんつったかな…。えーと、ルーム…し…?」 「ルームシェア?」 じいさんは満面の笑みで頷く。俺は顔がひきつった。 マジかよ… .
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