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「またしても無理だったか…
いつになったら…」
男は、初めて顔に表情を見せる。
その表情は、悲痛に歪み瞳は絶望の色に染まっている。
「……誰か……誰か俺を…
殺してくれ…」
丘の上から放ったその言葉は、怪しく光る月に向かって、小さく小さく響き渡り消えていった。
そして、そこにはもう男の姿は無かった。
魔物の死体の“丘”を残して…
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